薬研(やげん、旧字体:藥硏)とは、薬材(生薬など)などを碾いて粉末化したり、磨り潰して汁を作ったりするための、世界に偏在する伝統的器具である(その日本語名を代表する一つ)。舟形の溝を彫った碾(字義は石臼)の「薬研(やげん)」と、軸の付いた車輪状の碾き具「薬研車(やげんぐるま)」からなる。
薬卸/薬卸し(くすりおろし、旧字体:藥卸)ともいうほか、三省堂『大辞林』第3版は「きさげ」を異名として挙げている。材質は中に入れる材の種類と成分に対応して異なり、石、木、青銅、真鍮、青磁、白磁、陶器、鋳鉄、ガラスなど、多種多様である。かつては石製のものが多かったが、21世紀においては金属製が多い。
概要
中央に窪みのある舟形の器具(中国語名:硏槽、日本語名:薬研)と、中央に握り手の部分となる軸を通した円盤状の車輪を組み合わせた道具である。薬材や顔料用鉱物など粉砕したり磨り潰したりしたい物を、薬研(硏槽)の窪んだ箇所に入れ、薬研車(藥碾子)の把手を両手で握って体重をかけながら前後に往復させることにより、押し砕く、もしくは磨り潰し、粉末化したり、汁を抽出できる状態にする。
古くから顔料の製造にも使われてきた。唐辛子の調製などにも利用された。また、花火用の硝石(焔硝)を作るのにも用いられた。
薬研堀
日本では、小舟部分の断面はV字形となっているところから、城の防御施設において断面U字形の空堀を「箱堀(はこぼり)」などというのに対し、断面がV字形の堀を「薬研堀(やげんぼり)」と称した。
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